信用取引は、株式投資の選択肢を広げ、大きな利益を目指す投資家にとって魅力的な方法です。この取引形態では、投資家は自身の資金以上の取引を行うことができ、これにより利益の可能性を大幅に高めることができます。しかし、この方法は高いリスクも伴うため、取引を行う前に理解と準備が必要です。
保証金の約3倍の取引ができる。(信用買い)
信用取引では、投資家は証券会社から資金または株式を借りて取引を行います。この取引の大きな特徴は、保証金を担保にして、その数倍にあたる取引が可能になる点です。例えば、30万円の保証金で最大90万円分の株式を購入することができます。このレバレッジ効果により、小さな資金でも大きな取引を行うことが可能になり、それに伴い利益の機会も増大します。単純計算ですが、約3倍増えた取引枠をフル活用すると、利益も損失も、約3倍になり、ハイリスク ハイリターンな取引になります。
信用取引で得られる取引の柔軟性
増えた取引枠をフル活用すると、リスクも高く注意が必要ですが、必ずしもフル活用する必要はなく、ほかのメリットも考えられます。
信用取引で得られるもう一つの利点は、取引の柔軟性です。例えば、現物取引では、資金の制約により再投資の機会が限られる場合がありますが、信用取引ではその制約を超えて取引を行うことができます。例えば、現物取引で30万円を使って20万円の銘柄を買って売ったとします。このとき、同じ銘柄をまた買いたい場合、当日の同一銘柄に限っての買い付け余力は、30ー20=10万円になり、もう買うことができませんが、信用の取引枠を使うことによって、当日中にもう一度、同一銘柄を売買できるといった賢い使い方もできます。
信用買いのリスク
信用買いのリスクも無視できません。購入した株式の価格が予想と反対に下落した場合、損失は投資した額を超える可能性があります。さらに、価格が大幅に下落した場合、追加証拠金、略して追証(おいしょう)を証券会社に提供しなければならない場合があります。このような状況は、投資家にとって大きな負担となり得るため、信用取引を行う際は慎重なリスク管理が求められます。
下げ相場でも稼ぐカラ売り(信用売り)
カラ売りとは、証券会社が持っている株を借りて売りから入り、買い戻してそれを返済する方法です。株価が下がった時に利益が出るという、現物取引ではありえないことが可能になります。上昇相場でも下落相場でも利益を出せるチャンスが広がるので、カラ売りは信用取引のもっとも大きな特徴としてあげられます。
信用取引を開始する前に
信用取引を始めるにあたっては、証券会社ごとに様々なルールが定められているので、各証券会社のホームページなどを参考にしっかり勉強してリスクを理解したうえで始めるようにしましょう。
また、信用口座を開くためには、ある条件を満たしている必要があります。投資歴1年以上、資産額200万以上など、一定の投資経験や資産額が含まれます。これらの条件は、投資家が高リスクの取引を理解し、適切に管理できる能力を持っていることを確認するために設けられています。条件は証券会社によって大きく異なるので、各証券会社のホームページを参考にしてください。投資が始めての方はまずは現物取引からになります。