FXで取引できるのは、米ドルと日本円だけではありません。ユーロ、イギリスのポンド、スイスのフラン、カナダのドル、オーストラリアのドル、ニュージーランドのドルなど、主要な国の通貨が取引できます。
通貨ペアは、FXを始めると何となく覚えるものですが、ここでしっかりと仕組みを学んでおきましょう。
通貨ペアの仕組み
購入する通貨と、その時に支払う通貨、2つの国の通貨の組み合わせを「通貨ペア」といいます。通貨ペアは「米ドル/円」、「ユーロ/米ドル」のように表記されます。左側の通貨は購入する通貨、右側の通貨が支払う通貨となります。
「米ドル/円」を買うということは、円を支払って、米ドルを購入するということです。
「ユーロ/米ドル」を買うということは、米ドルを支払って、ユーロを購入するということです。「持っていない米ドルを支払う」ってどういう事?と思われるかもしれませんが、FXなら、証拠金として日本円を預けることで、他の国の通貨を自由に売買できるのです。
ちなみに、FXでは買い(ロング)と、売り(ショート)があります。その観点からも考えてみましょう。米ドル/円を買うということは、米ドルを買って円を売ること。米ドル/円を売るということは、米ドルを売って円を買うということになります。
通貨コードとは
通貨コードとは、為替取引などで利用するために、ISO(国際標準化機構)が定めた国際規格です。
ローマ字3文字で表されます。例外もありますが、ほとんどは国を表す2文字と通貨の名前を表す1文字で表されます。日本の円なら、Japan Yen=JPY。米国のドルなら、United States Dollar=USD。の様な感じです。
国名 | 通貨名 | 通貨コード |
---|---|---|
日本 | 円 | JPY |
アメリカ(米国) | ドル | USD |
EU(欧州連合) | ユーロ | EUR |
イギリス | ポンド | GBP |
スイス | フラン | CHF |
カナダ | ドル | CAD |
オーストラリア | ドル | AUD |
ニュージーランド | ドル | NZD |
シンガポール | ドル | SGD |
南アフリカ | ランド | ZAR |
トルコ | リラ | TRY |
メキシコ | ペソ | MXN |
通貨ペアは「米ドル/円」はUSD/JPY、「ユーロ/米ドル」はEUR/USDのように表されます。FX取引画面や為替チャートでは大抵、通貨コードが使われています。
為替取引の主役、ドルストレートとは
米ドル/円、ユーロ/米ドル、ポンド/米ドルなど、米ドルが絡んだ通貨ペアの事をドルストレートといいます。ドルストレートはストレート通貨と呼ばれることもあります。
他の通貨の為替レートは、米ドルとの間でだけ直接的に決まっていきます。例外もありますが、インターバンク市場では米ドルだけが、その他の通貨と直接取引されるのです。
為替相場の中心となる基軸通貨(キーカレンシー)は米ドルです。基軸通貨は貿易や金融など、国際取引の決済通貨となります。米ドルは取引量も安定していて、ニュースなどの情報も入手しやすいです。
クロス通貨・クロス円とは
ユーロ/円、ユーロ/ポンド、豪ドル/円など、米ドルが絡まない通貨ペアの事をクロス通貨といいます。クロス通貨は合成通貨と呼ばれることもあります。
米ドル/円、以外の円が絡む通貨ペアをクロス円。ユーロ/米ドル、以外のユーロが絡む通貨ペアをユーロクロスといいます。
米ドル以外の通貨は、米ドルを介して為替レートが決められます。これをクロスレートといいます。
例えば、ユーロ/円は、ユーロと円で直接レートを決めるわけではありません。米ドル/円と、ユーロ/米ドルのレートを基に決められるのです。1ドル=100円の時、1ユーロ=1.1ドルなら、1ユーロ=110円となります。
初めてのFX取引は米ドル/円がおすすめ
ユーロ/米ドル、ポンド/米ドルなど、取引するのにおすすめの通貨ペアは色々ありますが、初心者の方におすすめなのは米ドル/円です。
米ドル/円は断然取引しやすい通貨ペアです。理由は、
- 情報が入りやすい
- 相場が安定している
- 適度な値動き
- スプレッドが狭い
為替ニュースなどの情報は米ドル/円が中心です。日本に住んでいると、経済ニュースもアメリカと日本が中心です。また、取引量も多い通貨ペアなので、相場が安定していて、値動きも初心者に丁度いいです。
最初は米ドル/円を取引して、FX慣れてきたらユーロ/米ドル、ポンド/米ドルなども監視するのがいいでしょう。