FX取引には様々な注文方法が用意されており、とても自由な取引が可能です。
ここでは、6つの基本的な注文方法を覚えましょう。
成行注文(クイックトレード、ストリーミング注文)
成行(なりゆき)注文は、現在のレートで注文したい時に使います。売値と買値のリアルタイムレートが表示され、任意のタイミングでワンクリック注文ができます。
スピード重視のデイトレーダーにとっては、馴染み深い注文方法です。
FXの売値と買値には数銭の価格差があり、この価格差をスプレッドといいます。
成行注文は、FX会社によって様々な名称がつけられています。クイックトレード、ストリーミング注文、マーケット注文、スピード注文、プライスオーダー、リアルタイム注文、など色々な呼ばれ方をします。
指値注文
ある値段まで下がったら買いたい、または上がったら売りたい。現在の価格より、なるべく安く買いたい、なるべく高く売りたい、と考える時に使う注文方法です。
現在の価格より、なるべく安く買いたい、なるべく高く売りたい
逆指値注文
ある値段まで上がったら買いたい、または下がったら売りたい。ある値段を抜けたら勢いづいて上がる(下がる)と考えた時や、損失を限定させたいロスカットの時に使います。
いくつかの注文を1度に設定できるのが自動売買注文です。指値と逆指値を組み合わせて設定することにより、自分の戦略どうりの売買が自動で行われます。
イフ・ダン(ifdone)(IFD)
2つの注文を同時に出し、1つ目の注文が約定すると、2つ目の注文を有効にする方法。新規注文から手仕舞いまでを自動化できます。
上の例では新規注文が約定すると利食いの注文が有効になるように設定していますが、これだとロスカットの設定がされていないので、あまりおすすめできません。もしイフダン注文をを単独で使うのであれば、利食いの指値ではなくロスカットの逆指値を設定したほうがいいでしょう。
オーシーオー(OCO)(one cancels the other)
2つの注文を同時に出し、片方の注文が約定したら、もう片方の注文をキャンセルします。
利食いとロスカット の注文を同時に出せるので、ポジションを保有している状態でも安心してパソコンから離れることができます。
イフダンオーシーオー(IFO)(ifdoneOCO)
イフダンをオーシーオーを組み合わせた注文方法で、1つ目の注文が約定すると、オーシーオー注文が有効になります。
このように、新規注文とその後の利食いとロスカットの注文までを完全に自動化してくれます。
注文の期限について
注文には「期限」があり、その期限によって注文がどのように扱われるかが変わります。注文期限とは、注文を有効とする期間のことです。主に次のような種類があります。
即時執行(IOC: Immediate Or Cancel)
「即時執行」の注文は、注文が出された瞬間に全部か一部が即座に執行され、執行できなかった部分はキャンセルされる注文です。この注文は、市場に出したい価格で即座に取引を成立させたいときに使います。
当日限り(Day Order)
「当日限り」の注文は、文字通りその取引日の終わりまで有効な注文です。FXではニューヨーク市場が終了する時間が一日の取引終了時間です。日本時間では午前7時(3月の第2日曜日から10月までの夏時間の場合は午前6時)となります。取引時間内に注文が執行されなければ、自動的にキャンセルされます。この注文は、その日の市場の動きに基づいて取引したい場合に適しています。
有効期限指定(GTD: Good Till Date)
「有効期限指定」注文では、注文を出すときに有効期限を設定します。この期限が来るまで、注文は残り続けます。期限までに注文が執行されなければ、自動的にキャンセルされます。長期間の戦略を立てている場合に有効です。
キャンセルまで有効(GTC: Good Till Cancelled)
「キャンセルまで有効」の注文は、トレーダーが手動でキャンセルするまで、残り続ける注文です。長期にわたって特定の価格まで取引を試みたい場合に使いますが、忘れずに定期的に注文を確認する必要があります。
注文期限の使い分け
注文期限を理解し、適切に使うことで、FX取引での戦略をより精密に実行することが可能です。例えば、短期間での利益を狙うデイトレーダーは「即時執行」や「当日限り」の注文を多用するかもしれません。一方で、中長期的な視点で市場を見ているトレーダーは、「有効期限指定」や「キャンセルまで有効」の注文を利用することが多いでしょう。
注文期限を上手く利用することで、市場の不確実性を管理し、自分の取引戦略に合わせた柔軟な対応が可能になります。取引をする前に、それぞれの注文期限の特徴をよく理解し、自分の取引スタイルや目標に最適なものを選びましょう。