外国為替市場は、外為市場(がいためしじょう)と略して呼ばれたり、単に為替市場と呼ばれたりもします。
FXを始める前に、仕組みや取引時間など知っておきましょう。
外国為替市場という場所は存在しない
外国為替市場と言うくらいですから、なにか取引所などで通貨の売買が行なわれていると思ってしまいがちです。ですが、実際にはそのような取引所という建物は存在しません。銀行、機関投資家、企業や個人投資家らが電話やインターネットなどの通信機器で取引を行なっています。外国為替市場とは、そんな取引全体を表す名称なのです。
そして、外国為替市場は取引の種類によって、ふたつに分けることができます。「インターバンク市場(銀行間市場)」と「対顧客市場」です。
インターバンク市場(銀行間市場)と対顧客市場
通常、外国為替市場といえばインターバンク市場のことを指します。インターバンク市場の参加者は金融機関に限られます。銀行や一部の証券会社などの金融機関同士が大量の取引を行っています。
そして、個人や企業、機関投資家などがインターバンク市場に参加している金融機関と取引すること対顧客市場といいます。
外国為替市場の参加者を知ろう
外国為替市場では、参加者が様々な目的や思惑をもって為替取引を行っています。そしてその目的、思惑の違いから「実需筋(じつじゅすじ)」と「投機筋(とうきすじ)」に分ける事ができます。
実需筋
主に貿易での輸入や輸出に伴う為替取引を行う企業や個人のことをいいます。
為替取引で利益を得るのが目的ではありません。取引量は市場全体の2割程です。
投機筋
為替取引によって利益を得るのが目的の機関投資家や個人のことです。FXのトレーダーは投機筋ということになります。取引量は市場全体の8割程度を占めています。
1日に1兆ドル以上の膨大な取引金額がある為替市場ですが、その取引の多くは投機筋によるものです。そして為替相場はそうした投機筋がリードして動かしているといえます。
外国為替市場の休日いつ?祝日や年末年始は?
外国為替市場がお休みするのは、土曜日、日曜日、12月25日(クリスマス)、1月1日(元旦)です。世界中の国が休日の時は、世界中の金融機関が営業していないため、為替取引はできません。
ただ、上記の内容でおおよそ間違いないのですが、少しだけ例外があります。
土曜日、日曜日も為替取引が行われている中東の「バーレーン市場」
中東の一部の国は金曜日を休日としています。土曜、日曜は平日なので、金融機関も営業しており為替取引が行われています。ちなみに、土日の中東の為替レートの事を「未来レート」、または「中東レート」といいます。
FXトレーダーなら、土曜、日曜の「未来レート」、「中東レート」の値動きが気になるかもしれません。ですが、月曜の朝の本来の為替相場にはほぼ影響がありませんし、値動きを確認できるのは、セキュリティー面を疑いたくなるような海外サイトばかりです。「未来レート」、「中東レート」の値動きは一切気にしないほうがいいです。
12月25日(クリスマス)はFX取引可能
12月25日(クリスマス)は、主要な国がほとんど休日です。外国為替市場が休みと言っても過言ではないのですが、FX取引はできます。実際、日本も12月25日は祝日ではありませんよね。
ですが、12月25日~12月31日までは、金融機関は営業していても市場参加者が少ないので閑散としています。値動きも荒くなり、スプレッドも拡がりやすくなるので、プロのFXトレーダーは取引を控えます。
取引時間は何時から何時まで?
外国為替市場は株式市場のように、はっきりとした取引時間が決まっているわけではありません。東京では、朝8時位から夕方4時位までが活発に取引されている時間帯で、その時間帯のことを東京外国為替市場と呼んでいるのです。
そして為替取引は24時間休むことなく世界のどこかで行なわれています。
主要各国の為替市場の取引時間帯
このようにバトンを渡しリレーするように、為替取引は行なわれています。 そして取引量の多い日本の東京市場、イギリスのロンドン市場、アメリカのニューヨーク市場を為替三大市場といい、もっとも投資家の注目が集まる市場です。